ここから先は未踏
グラニュラー合成は、音を数ミリ秒の「粒」(グレイン)に刻んで、一粒ずつ窓関数(極小のエンベロープ)で包み、大量に撒く。粒の密度や長さを変えると、点描から帯へ連続的に変わる。
一粒は、短い正弦波に窓を掛けたもの。窓には両端が 0 になだらかに落ちる Hann 窓(0.5 - 0.5·cos(2πu))を使う。粒の端でプツッと切れる音(クリックノイズ)が出ない。下は粒を全面に撒いて、粒の長さを 8 から 64 のあいだで往復させている。
粒が短いと、Hann 窓で包まれた小さな弧が散らばる点描になる。長くすると一粒に正弦波の山が増えて、隣の粒と重なり合い、面が帯で埋まる。grow が 0 を通る瞬間は粒が最も短く、最も間が空く。pitch は粒ごとの周波数で、ばらつかせると一粒ごとに高さの違う音の雲になる。
グラニュラー合成は Iannis Xenakis が 1950 年代に音の「粒子」として理論化し、Curtis Roads が計算機上の手法として体系化した。一粒は短い波形に窓関数(Hann や Gauss)を掛けたもので、長さは数ミリ秒から数十ミリ秒。粒を撒く密度・長さ・位置のばらつきが音色を決め、密度を上げると個々の粒が知覚できなくなって連続音になる(聴覚の時間分解能のしきい、約 50ms が境目)。録音から粒を切り出して時間を凍結・引き延ばす time-stretch や、合成波形から雲を作る texture 生成に使われる。
周波数の側から波を見る FFT(フーリエ変換)や、WebAudio で実際に鳴らして反応させる話は、信号を時間軸でなくスペクトルで読む別の入り口になる。