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レスラー — 折りたたまれる軌道

三つの数 x y z が、互いの値を見ながら毎フレーム少しずつ進む。dx = −y − zdy = x + a·ydz = b + z(x − c)。この三本の式が各瞬間の進む向きを決め、刻み dt をかけて足すと点が動く。xy の二軸に射影すると、平面で渦を巻きながら時々外へ跳ね上がる一本の軌道になる。

レスラー方程式。Otto Rössler が 1976 年に提示した三変数の連続力学系。dz = b + z(x − c) の一本だけが非線形で、ローレンツ系より単純な構成でカオスを出す最小例として作られた。x-y 平面では原点近くを螺旋状に広がりながら回り、xc を越えると z が跳ね上がって軌道を内側へ折り返す。この折り返しが帯を一枚ずつ畳み、二度と同じ線を踏まない無限の層になる。a = 0.2, b = 0.2, c = 5.7 が定番の係数。

xy だけを進める。z0 に固定すると dx = −ydy = x + a·y の二変数になり、原点のまわりを回りながら a·y の項で少しずつ外へ膨らむ螺旋になる。一点を打って軌道を尾を引かせて描く。

点が原点のまわりを回りながら少しずつ外へ広がる。a·y が回転に膨張を足す項で、放っておけば際限なく外へ出るので半径が 9 を越えたら中心へ戻している。z がない平面の渦だけでは軌道は閉じず、ただ外へ巻き続ける。これに z の式を足すと、外へ出た所で折り返しが入る。

z の式 dz = b + z(x − c) を加えて三本にする。xc(ここでは 5.7)より小さいうちは z(x − c) が負で z は小さく保たれ、xc を越えた瞬間に z が一気に増える。増えた zdx = −y − z を通じて x を強く引き戻し、軌道を渦の内側へ畳む。射影は同じ x-y 平面のまま、z の高さを点の濃淡に写す。

点が渦を広げては時々跳ね上がり、明るい点(z が高い)が渦の縁に飛んで内側へ落ちる。明るい点が出る位置が折り返しの起点で、そのたびに軌道が外周から内側へ畳まれる。z の式一本が、外へ巻くだけだった螺旋に折り目を入れている。

x だけを縦に積んで時間軸で見ると、折り返しの周期が表に出る。横を時間、縦を x の値にして、フレームごとに一画素分だけ右へ流す。

x の波が緩やかに高くなっては急に折れ落ちるのを繰り返し、折れ落ちる所に z の高い明るい点が乗る。波の山の高さは一周ごとにわずかに違い、同じ振幅が戻らない。