地図/信号/リズムと作曲

ユークリッドリズム — 一様にばらまく

16 マスのうち 9 個を鳴らすとき、その 9 個をどこに散らすか。前から詰めると前半に偏る。なるべく等間隔に、しかも割り切れない数を機械的に散らす方法がある。

n マスに k 個を撒くとき、各マス ifloor(i·k/n) の値が一つ上がった瞬間を「鳴る」とする。これだけで k 個が一様に散る。下は左右に並べて、左が前から k 個詰めた版、右が floor(i·k/n) で散らした版。

floor(i·k/n) は、i が 0 から n まで進むあいだに合計 k 回だけ整数の段を上がる。段を踏んだマスが鳴るので、ちょうど k 個になり、k 段が n 個のあいだに均される。左の前詰めは始点に固まり、右のユークリッドは円の上に等間隔で配られる。

ユークリッドリズム。二つの整数の最大公約数を求める互除法と同じ分配を音に使う。Godfried Toussaint が 2004 年の論文 "The Euclidean Algorithm Generates Traditional Musical Rhythms" で、世界中の伝統リズムの多くがこの一様分配で書けることを示した。E(3,8) はキューバのトレシージョ、E(5,8) はクラーベ、E(5,16) はブラジルのボサノヴァ。floor(i·k/n) の段差を数える方法と、nk を互除法で割り続ける方法は、同じパターンを別の手順で出す。空間を等間隔に詰める黄金角充填や、誤差を配るディザと根が近い、割り切れないものを均す一族。

nk の組で世界中のリズムが出る。k=7, n=16k=5, n=8 にするとクラーベになる。鳴る点が円の上に等間隔の対称として並ぶ。