縮小を許す
形と大きさを保つ合同変換に縮小を混ぜると、写像をかけるたびに図形が小さくなる。同じ形を小さくして自分の中に埋め込むと、自己相似になる。
縮小・回転・ずらしをまとめて持つ写像がアフィン変換。x' = a·x + b·y + e、y' = c·x + d·y + f の6係数で、a〜d の行列が縮小と回転、e・f が平行移動。縮小率が1未満の写像を複数集め、点をそのどれかに通し続けると、写像たちが共通に持つ不動集合(アトラクタ)に点が吸い寄せられる。IFS(反復関数系)で、写像の選び方を確率で行う描き方が chaos game。
下は四角を半分に縮めて回し、右下へずらすアフィン変換。同じ四角に写像を繰り返しかけて、できた四角を順に描いている。一手ごとに小さく回りながら自分の中へ入れ子になっていく。
縮小率 s が1未満なので、かけるたびに四角が小さくなって一点へ向かう。回転の角度 spin を変えると、入れ子の渦巻き方が変わる。一つの写像だけだと点は一点に落ちるだけで、複数の写像を混ぜると落ち先が一点でなく図形になる。
三つの頂点を置いて、一個の点を、毎回ランダムに選んだ頂点へ「半分だけ寄せる」。(点 + 頂点) / 2 という縮小付きのアフィン変換で、頂点の数だけ写像がある。打った点を残し続けると、シェルピンスキーのギャスケットが浮かぶ。
点が一様に散らず、三角形の中に三角形の穴が空いた入れ子の模様に集まる。半分に寄せるという一手を繰り返すだけで、どの位置から始めても同じ図形へ吸い込まれる。寄せる比率 0.5 を変えると穴の大きさが変わり、頂点を四つにすると別の充填になる。
写像を四つに増やして、各写像に選ばれる確率の重みを付ける。a〜f の係数を縦長に伸びる形・左右の枝・根元に合わせて決め、p で選ばれやすさを振ると、バーンスリーのシダになる。葉脈を作る 0.85 の写像が一番選ばれ、左右の小葉と根元はたまにしか選ばれない。
毎フレーム点が降り積もって、葉脈と小葉が次第に埋まっていく。cum は確率の累積和で、乱数 r がどの区間に落ちたかで写像を選んでいる。p を振り直すと密度の偏りが変わり、a〜f をいじると葉の傾きや巻きが変わる。各写像が「全体を縮めて、回して、ずらす」一手で、その重ね合わせの極限がシダになる。
回転・鏡映だけの群が形を保つのに対し、縮小を含む変換のまとまり(相似変換の半群)の不動点が自己相似図形になる。木やシダは、対称性の言葉では「縮小を許した群作用」として読み直せる。